第19回「国家朝餐祈祷会」(主催:日本CBMC)が12日、ヒルトン東京お台場(東京都港区)で開催され、20カ国以上の国から526人が集まった。衆議院議員では、自民党元幹事長の石破茂(いしば・しげる)氏(日本基督教団・鳥取教会会員)、石破氏に連れてこられたという同党の下村博文(しもむら・はくぶん)氏、立憲民主党の山川百合子(やまかわ・ゆりこ)氏(日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団・草加神召キリスト教会会員)、同党の藤田幸久(ふじた・ゆきひさ)氏、元民主党の衆議院議員で岐阜市長の柴橋正直(しばはし・まさなお)氏(父親が単立イエス・キリスト本巣教会牧師の柴橋敏隆氏)も出席した。
まず石破氏が「ファリサイ派の人と徴税人」のたとえ(ルカ18:9~14節)から証しと平和への想いを語った。
「18歳で洗礼を受けて44年が経ちます。信仰を持つことのすばらしさは、自分が罪人であることを常に認識できること、また、自らが足らざる者であることを心から神様に詫び、赦(ゆる)しを請うことができることであると思っております。
また、私自身は自分がいかような者であるとも思っておりませんが、『御心にかなう者であれば、御用のためにお用いください』とお祈りできることは幸せなことであると思っております。
日本の政治の世界で宗教について語られることはあまりありませんが、世界の指導者と宗教について語ることができれば、日本のあり方も変わるかもしれません。世界の指導者と共に、民の前に罪人であることを覚え、世界の平和を願うことを諦(あきら)めてはいけないと思うのです。自由で、平和で、豊かで、人権が尊重されるこの日本が次の時代も続くように、神様に愛される国を作るべく力を尽くしていきたい。そう思っております」
ゴスペル・グループ「THE SOULMATICS」(ザ・ソウルマティックス)による特別賛美の後、日本福音同盟(JEA)理事長の廣瀬薫(ひろせ・かおる)氏が、「愛が動くとき、不可能は可能になる──すべてを可能にする十字架の愛」と題して次の聖句からメッセージを語った。「もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる。あなたがたにできないことは何もない」(マタイ17:20)
「賀川豊彦は弱者救済を訴え、労働組合や生協、農協など、現在にも続く日本の共助の基礎を作り上げました。キリスト教がルーツとなった共助の働きに触れた人は、日本の全人口の3分の1にも及びます。このような先人の働きがこの日本で行われたということは、私たちにとって大きな励ましです。
賀川は労働運動に加え、保育や教育、災害救済など、さまざまな活動を行いましたが、すべてキリスト教を中心に、神の国の直接の働きとして活動していたと考えられています。これは私たちにとっても同じことが言えるでしょう。神の国とは、皆が生かされて共に喜ぶ平和な世界です。
イエス様は今日も、十字架の愛によって、経済や家庭、文化などのすべてを、神の国を担う場としてくださっています。私たちがイエスと同じ十字架の愛に生きる時に、不可能がすべて可能となるのです」
また賀川が関東大震災の後、1930年からの4年半で1万人以上を信仰に導いたとされる「神の国運動」や、戦後の46年から始めた「新日本建設キリスト運動」を例に挙げ、あらゆる教派や立場を超え、協力して宣教活動を行うことを呼びかけた。
「一人ひとりが一致し、協力して行動すれば、日本における伝道は難しくない。いま世界が必要としているのは、私たちが神の国を地上に現すことです」
また、「アンパンマン」の作者であるやなせたかし氏の言葉、「正義とは、弱い者のために犠牲を払うこと」を引用しながら、聴衆に信仰のチャレンジをした。
「この世界の力のある方々がイエス様と同じ思いを持つようになったら、世界の有様は一変するでしょう。十字架の愛とは『差し出す愛』であり、誰でも、神様のため、人のために差し出せる何かを持っているはずです。その愛が動くときに、主の御心が行われるのだと思います。ぜひ一緒に、地上に神の国をもたらす取り組みを、21世紀の日本で協力し合いながら、あらゆる領域に広げていきましょう」
会の終わりには、山川氏による代表祈祷の後、増山浩史(ますまや・ひろふみ)氏(21世紀キリスト教会主任牧師)が日本のリバイバルや次世代のため、さらにキム・チャンソン氏(CBMCアジア・プレジデント)によって世界平和のための祈りがささげられ、参加者もそれぞれに祈る時間が持たれた。