人気スタイリストから神様の“道具”として生きる人生へ。雑貨店オーナー・デザイナー・酒井しょうこさん 【たまものクラブ】

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――どんな活動をされていますか?

聖テレーズをイメージしたアンティークショップ「マチルド・イン・ザ・ギャレット」と、聖フランチェスコからインスピレーションを受けたお店「フランキンセンス+ショップ」を運営しています。
聖フランチェスコが「地球環境保護の聖人」であることから、フランキンセンス+ショップではオーガニックやエコフレンドリーなアイテムを扱っているほか、私自身がデザインしたグッズ、私の著書なども販売しています。

――雑誌「オリーブ」で取材されていたしょうこさんに憧れ、「マチルド・イン・ザ・ギャレット」へ足を運んだことがある人も多いと思います。
店名の“フランキンセンス”は、イエス・キリストが誕生したときに、東方の三賢者がささげた贈り物のひとつ、乳香のことですね。

ええ、私にとってフランキンセンスの香りは、幼い頃から両親と一緒に通う教会で焚かれていた大好きな香りでした。
それで何気なく付けた名前だったのですが、あるときフランキンセンスには祭司である“キリスト“という意味があることを教えていただいて。
さらに、この言葉には「frank incense」――フランクはフランチェスコの愛称で、“フランチェスコの香り”という意味もあると知って、驚きました。

――ご両親がクリスチャンだったのですね。

父は修道士、母は修道女を志していたほどの敬虔なクリスチャンで、毎週日曜日は御ミサに参列するのはもちろんのこと、「聖務日課」というカトリックの分厚いお祈りの本を毎日5回も唱え、食事の前には聖書を開き…という両親のもと、日々の生活を送っていました。

ただ、子どもの頃の私は、そんな環境がすごく嫌でした。周りにはクリスチャンのお友達はいないし、テレビもあまり見せてもらえないから、話も合わなくて…。実家を出てからは、クリスマスなど年に数回しか教会へ行かなくなってしまいました。

――もう一度、教会に行くようになったきっかけはなんだったのでしょう?

あるとき、聖フランチェスコの故郷であるアッシジへ訪れたことがきっかけでした。

スタイリストを経て、1985年に代官山にオープンした「マチルド・イン・ザ・ギャレット」は、バブル期だったこともあってとても好評でした。色々な雑誌に取材していただいたり、渋谷のあるデパートが行ったアンケートでは「東京でいちばん行きたい店」に選んでいただいたりもしました。
やがてバブルが崩壊して世の中が大変なことになり、心労も重なって体調を崩してしまって…。1か月間休むことを決めて、ベネツィアに住んでいたガラス作家の親友の家の屋根裏部屋に泊まらせてもらうことになりました。
ところが、先約があるからと2週間後には出て行かなければならなくなって、別の友人が暮らしていたアッシジに行くことになったんですね。

残りの2週間を友人が取ってくれたサン・フランチェスコ大聖堂の目の前にある宿で過ごし、滞在中は毎日、フランチェスコのお墓の前で祈っていました。
当時の私は、本当にたくさんの問題を抱えていたのですが「問題を解決してください」「体調を回復させてください」ではなく、「信仰を強めてください」と祈っていたんです。

そうしたら、その祈りが届けられて、それまでの自分とは全く別人のようにガラッと変わってしまいました。
帰国してから今までずっと、日曜日の御ミサは欠かしたことがありません。
このときの体験が、「フランキンセンス+ショップ」のオープンにもつながりました。…(続く)

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