10月1日「すぐに、出発することにした」

パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。(使徒言行録16章10節)

第二回伝道旅行で問安したリストラの教会に、評判の良いテモテという弟子がいた。パウロは彼を伝道旅行に連れて行きたかったので、彼に割礼(かつれい)を受けさせた。彼の父がギリシャ人だったからである。パウロはテモテが行く先々でユダヤ人に伝道するときに、割礼を受けたほうがよいと考えた。ユダヤ人たちがキリストの福音に躓(つまず)くならともかく、それ以前の問題に躓かないためである。ここに「律法に支配されている人に対しては、わたし自身はそうではないのですが、律法に支配されている人のようになりました。律法に支配されている人を得るためです」(Iコリント9・20)という伝道者パウロの自由な姿勢がある。「キリスト・イエスに結ばれていれば、割礼の有無は問題ではなく、愛の実践を伴う信仰こそ大切です」(ガラテヤ56)というのがパウロの主張であった。

こうして、パウロ、シラス、テモテ、ルカの伝道チームは小アジアを北進した。彼らがビティニア州に入ろうとした時、その行く道を閉ざされた。事情は記されていない。パウロはトロアスで、夜、一人の人がマケドニア州に渡って来てほしいと懇願する幻を見た。今日の聖句は、パウロの幻を聞いた同行者一同が、神は自分たちをマケドニア人伝道に召しているのだと確信し、パウロの幻を共有したことを語っている

教会は伝道計画を立てる時、神が教会に何を期待しておられるかを祈り、考える。その時、ある人に示された幻を聞き、吟昧し、神の召しと確信したならば、これを皆で共有し、実行する。教会は伝道のヴィジョンを共有するチームである。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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