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◆3月6日 弟の日
なぜかは知りませんが、今日は弟の日だそうです。ちなみに6月6日には兄の日、9月6日は妹の日、12月6日は姉の日だそうです。
聖書にはたくさんの弟が出てきます。アダムとイブの子といえばカインとアベルが有名ですが、人類の先祖になったのは末っ子のセツですし、アブラハムの孫のエサウとヤコブの兄弟も、祝福を受けたのは弟のヤコブの方でした。そのヤコブの12人の息子のうち、神様に祝福されたのは11番目のヨセフでした。イスラエルの最も偉大な王と呼ばれるダビデも羊飼いの末っ子でした。新約聖書で有名な「放蕩息子」のエピソードでも、放蕩の挙句に最終的に祝福されたのは弟でした。聖書には弟が祝福されるという話がとても多いんです。
これは聖書に限らず、童話にも多くみられる傾向です。特にグリム童話で活躍するのは末っ子が活躍する物語がたくさんありますし、トルストイの『イワンのばか』でも、主人公のイワンは三兄弟の末っ子です。ペローの『長靴をはいた猫』でも、猫をもらって人生の逆転を決めたのは末っ子でした。
でもこれは決して弟が兄よりも優れているということを示しているわけではありません。現代では多くの国で兄弟は法の上で平等に扱われますが、昔は長男が家の財産や地位をすべて引き継ぐのが当たり前でした。つまり長男である時点で祝福を受けていたということです。ですから「兄が成功した」という事例は世の中にたくさんありすぎて、特に後世に残す必要がなかったんです。むしろ弟が成功するケースがレアケースであった故に、「弟の成功物語」が後世にたくさん残ることになったんです。
特に聖書では「恵まれない立場、弱い立場の人にこそ与えられる神様の祝福」ということが強調されているので、「弟物語」が多くなっているのだと思います。
ですから世のお兄さんたち、気を落とす必要はないんです。
それではまた明日。

MARO 1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。 10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)2022年3月15日発売。