世界初のバブル経済「チューリップ・バブル」 

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◆1637年2月3日 チューリップ・バブルが崩壊した日

チューリップ・バブルというのは世界最初の投資バブルと言われた現象で、17世期、黄金時代のオランダで起こりました。チューリップは中近東原産の花で、ヨーロッパには16世紀ごろに入りました。これが大人気となってその球根が高値で取引されるようになり、球根が出荷できる状態になるのは9月でしたから、商人たちは9月を待ちきれず「9月に球根を買う権利」を売買し始めました。これが世界で初めての先物取引だそうです。最初は珍しい色のものだけが高値になったのですが、次第に珍しくない色のものまで高値となり、最盛期には球根一つが一般市民の年収の10倍もの価格で取引されたとさえ言われています。しかしバブルはいつか崩れるものです。1637年の2月3日、「あれ?チューリップってそんなに価値あるかな?」と誰かが気づいたのか、突然球根の買い手が付かなくなり、その値段は大暴落しました。

400年も昔のことですから、この事件についてはまだすべてが解明されているわけではなく、当時のオランダにどのくらいの被害がもたらされたのか、とか、いやそもそも実質的な損失はほとんどなかったのではないか、とか様々な議論が行われていますが、チューリップの価格の異常な乱高下があったことは確かなことで、今でも経済界ではバブル経済の象徴として「チューリップ・バブル」という用語が用いられます。

さてところで、聖書には「チューリップ」という言葉は一度も出てこないのですが、聖書の舞台となっている地域は中近東であり、チューリップの原産地ですから、イエス様をはじめ聖書の登場人物たちがチューリップとともに過ごしていた可能性はかなり高いのだそうです。聖書によく登場する「ゆりの花」は実はチューリップを指しているのではないかという説さえあるそうです。その説によれば、当時は植物学も今ほど発達していませんから、チューリップにせよユリにせよ、花がラッパ型をしていれば同じ言葉で表したのではないかとのことです。確かにチューリップもユリも春に咲きますし、どちらも見ると「春がきたなー!」と嬉しい気持ちになりますよね。

この長い「冬」が早く終わって、みんなで心置きなくチューリップでもユリでも見に出かけられる日が早くきますように。
それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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