ロイヤルウェディングでカリー首座主教の説教が新風巻き起こす

 

英国のヘンリー王子(33)と米国の俳優メーガン・マークルさん(36)の結婚式が5月19日、ロンドン近郊のウィンザー城内の聖ジョージ礼拝堂で行われ、カンタベリー大主教の司式のもと、結婚の誓いを交わした。挙式には、エリザベス女王(92)をはじめ、元サッカー選手のベッカム夫妻や米俳優ジョージ・クルーニーさんら、約600人が参列。そこで説教をした米国聖公会のマイケル・ブルース・カリー首座主教が話題になっている。

マイケル・ブルース・カリー首座主教(写真:Beth Crow)

厳かなロイヤルウェディングのイメージとは違い、カリー主教は身振り手振りを交え、親密に微笑みかけながら、14分間にわたり「愛の力」について熱弁した。しかも、手もとにあるのは分厚い聖書ではなく、タブレット。

「愛には力があります。私の言うことを信じられなくても、あなたが最初に誰かを愛した時のことを思い出してください。あなたと自分の愛する人を中心に世界が回っているように思えたでしょう。

それはロマンティックな愛だけでなく、どんな愛についても言えます。あなたが愛され、あなたがそのことを知るとき、……あなたが誰かを愛して、そのことを示すとき、ある感覚が起こります。これは正しいことなんだと腑に落ちるのです。

それには理由があります。それは、その源に関わるものです。私たちは愛の力によって造られ、私たちの人生はその愛の中で生き、今後もそうするはずです。

究極的に、愛の源は神ご自身です。私たちの人生すべての源です。……

愛は利己的でなく、自己中心的でもありません。愛とは、犠牲になれ、また贖いになります。そうした無私で、犠牲的な、贖いの愛の道は人生を変え、この世界を変えることができるのです」

今回、カリー主教は、英国国教会トップのカンタベリー大主教から説教をするようにと招かれたという。最初、信じられず、「まさか、エイプリルフールか」と言ったほど。

カリー主教は1953年生まれの65歳。2015年に米国聖公会の第27代、アフリカ系米国人としては初めての首座主教に選ばれた。アフリカ系米国人の母親を持つメーガン妃を意識して、英王室に新しい風を吹き込んだともいえる。こうした説教スタイルは今では珍しくないが、説教はかしこまって堅苦しいものという印象が強い日本人の目には特に新鮮に映ったのかもしれない。

AFP通信によると、それから1週間も経たない24日、米首都ワシントンで「最高レベルの政治的リーダーシップにおけるモラルと政治の危機」に抗議してホワイトハウスまで行進するデモが行われ、カリー首座主教も参加した。市内のナショナル・シティ・クリスチャン・チャーチを夕刻に出発したデモ隊は、ホワイトハウス前で集会を開き、カリー首座主教らが演説した。主催者によると、デモは「米国の魂とキリスト教の信仰の品位を危うくしている」ことへの抗議として行われたという。

 






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