トルコ大統領、世界遺産アヤソフィアを「モスク」と宣言 教皇「非常に悲しい」と言及 2020年7月14日

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トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は7月10日、イスタンブールの世界遺産アヤソフィアをモスク(礼拝所)に戻して拝礼の場とする大統領令に署名した。アタチュルク初代大統領によるモスクから博物館へ変更する1934年の閣議決定を無効とする最高行政裁判所の同日判決を受けた。

6世紀、キリスト教の大聖堂として建てられアヤソフィアは、15世紀からモスクとして使用され、トルコ共和国建国後、1935年に宗教施設から博物館になった。85年、ユネスコに世界遺産として登録された「イスタンブール歴史地域」の一部を構成している。

1500年の歴史を持つアヤソフィアはキリスト教徒とイスラム教徒双方から尊崇されており、国外からは、アヤソフィアの地位を変えるべきでないとの声が上がっていたが、エルドアン氏は判決が出た1時間後に新政令を発表した。

ギリシャ文化省はトルコ裁判所の判決について文明世界に対する「あからさまな挑発行為だ」と反発、ロシアのインタファクス通信は、ロシア正教会のウラジミール・ルゴイダ報道官が「数百万人に上るキリスト教徒の懸念の声は届かなかった」と批判している。「タス通信」も、判決はさらなる分離につながる可能性があると報じた。

裁判所は、判決で「アヤソフィアがモスクに部類され、この分野以外での使用は法的に可能でないとの判断に至った」と述べた。「アヤソフィアのモスクとしての使用を止め、アヤソフィアを博物館と定義した1934年の政令は法を順守していない」としている。

議会では、エルドアン大統領が政令を読み上げた後、与党・公正発展党(AK党)の議員が立ち上がって拍手喝采した。

大統領は、今月24日に最初のイスラム礼拝が行われると説明、イスラム教徒以外の住民や外国人にも門戸が開かれると表明した。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、トルコの決定を受け、アヤソフィアの世界遺産としての地位を見直すと明らかにした。世界遺産登録に必要な国境や世代を超えた重要な遺跡としての普遍的価値に対する影響という点で、今回の決定が疑義をもたらすと指摘している。

オードレ・アズレ事務局長も、ユネスコとの事前協議なしに決定が下されたことに「深い遺憾」の意を表明した。

トルコ共和国大統領府のイブラヒム・カルン報道官は、「アヤソフィアの礼拝開放決定により世界遺産がなくなる」という批判は正しくないと指摘。イスラムの礼拝堂(モスク)アヤソフィアが礼拝に開放されることについて、イギリスの公共放送BBCとトルコ英語放送TRT・ワールドにコメントした。

カルン報道官は、アヤソフィアにある象徴には、イスラム、キリスト教、仏教といった宗教の違いに関係なく誰もが接することができると表明。「アヤソフィア・ジャーミイが礼拝に開放されるとの決定により世界の遺産でなくなる」という批判は正しくないとし、宗教の自由についてはトルコでは400以上もの教会やシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)が開放されていると述べた。

アヤソフィアの礼拝開放決定は、イスタンブールにあるイスラムの礼拝堂(モスク)の数ではなく、アヤソフィアの歴史的重要性と宗教的重要性に関するものだと表明したカルン報道官は、「イスラムの信者、キリスト教の信者、信じる者、信じない者、誰もがアヤソフィアを訪れることができる。誰に対しても制限されることはない」と述べた。

教皇フランシスコは12日、カトリック教会の「船員の日」に向けたメッセージに続いて「海は、私の思いをここから少し離れたイスタンブールに運びます。私はアヤソフィアを思い、非常に悲しんでいます」と言及した。(CJC)

トルコ・アルメニア教会総主教、「アヤソフィアを礼拝堂に」 2020年6月23日

Arild Vågen – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=24932378による

 

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