11月27日 ヘブライ人への手紙13章8節

イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変ることのない方です。
ヘブライ人への手紙13章8節(参照箇所同書13:1〜19)

 

手紙の著者は、指導者たちが生涯の終わりに至るまで信仰を貫いたことを見習いなさいと勧めます。人は、どれほど優れた人物であっても地上では限られた時間の中でしか生きることができません。しかし著者は、地上の命は終わりがあるので、はかないのだとは言わないのです。終わりがあればこそ、そのような人の終わりを見なさいといっているのです。

信仰者の終わりは、その人の生涯に神がどのように働いてくださったかの結論のようなものです。その結論をもって、人はそれぞれに信仰を持って生きてきたことの証とするのです。この証は、その人の全生涯がかかった証です。

そのような証によって、わたしたちが信仰へと導かれたのは、パウロによって、アウグスティヌスによって、ルターやカルヴァンによってではありませんか。彼らの生涯が語る証によって、わたしたちは、信仰を得たことを思い出すことでしょう。

しかし、著者は、終わりのないお方を忘れてはいません。「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変ることのない方です」と告白することで、わたしたちの今日の生活に働いてくださるお方は、永遠のお方であることを確かにしているのです。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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