【米クリスチャニティ・トゥデイ】「ナクバ」を超えて──パレスチナの未来のためにできる7つのこと

6 平和を求めるパレスチナ人を支援する

統計によれば、およそ3分の1のパレスチナ人が、イスラエル人の身の安全が守られること、ユダヤ人と和解することを望んでいる。また多くのパレスチナ人が、文化多元主義や信教の自由といったリベラルな価値観を支持している。

残念なことに、このようなリベラルなパレスチナ人の声は通常、急進的なパレスチナ人の叫び声でかき消されてしまう。さらに悪いことには、西側にいる私たちが、穏健派を支持するのではなく、急進派の要求に応じてしまうことがよくある。しかし、今こそ考えるべきなのは、穏健でリベラルな価値観を持つパレスチナ人を探し出し、その人たちを支援する方法だ。

西側と中東それぞれにあって同じリベラルな価値観を共有する人々が、社会を変えるために本物の友情を築くなら、双方にとっての明るい未来を創り出すことができるだろう。

7 未来に向けた建設的なビジョンを持つようパレスチナ人を励ます

西側の人間の多くは、十分な情報を持たないまま、善意でイスラエルとパレスチナの間の紛争に関わろうとする。いずれの側に立つ者も熱心だが、聖書の表現を借りるならば、「この熱心さは、正しい認識に基づくものではありません」(ローマ10:2)。クリスチャンの中には、パレスチナ人を助けようとしてかえってパレスチナ人を怒らせ、つらい思いをさせてしまう者もいる。パレスチナ人の間に支配的な声だけを十把一絡げにパレスチナの声として理解してしまうことは、誰のためにもならない。本当のリーダーシップとは、真実を識別し、善を認め、悪を否定するものだ。

クリスチャンはとりわけ、パレスチナの友人たちが未来志向で建設的なビジョンをもって働くことができるよう励まさなければならない。紛争が終了した後、パレスチナ社会はどのような様相を呈しているだろうか。パレスチナで生活するユダヤ人を否定することなく、パレスチナ人のアイデンティティーをよりよいものにしていくのは誰だろうか。イスラエルとパレスチナの社会が平和になることが、どのように双方を利するだろうか。ユダヤ人国家を否定することになるからという理由で、パレスチナが一つの国家になるということが許されないなら、次善の解決策は何だろうか。

ナクバに対して私たちが取りうる最良の態度は、パレスチナ人がナクバを乗り越えていけるよう助けることだ。パレスチナ人スピリットは、悪意に満ちたものであってはならない。「自分のすることに責任を持つ」、これこそがパレスチナ人が未来に繁栄するための合言葉だ。

よく信じられていることとは違い、私たちはどちらの側にも与(くみ)する必要はない。クリスチャンが取りうる最良の立場は、「パレスチナにおけるユダヤ人とパレスチナ人双方のアイデンティティーと権利を認める」ということ。同時に、「互いの人権を侵すような言動は、どちらの側から出るものであっても否定する」という立場だ。パレスチナの多くの指導者のように暴力を推奨したり、ユダヤ人を極悪非道な悪魔と見なしたりすることなく、パレスチナの和平と自治を支持することは可能だ。ナクバを超えた未来を確かなものにするため、全力でできることをしよう。

ありがたいことに、私たちには同じ考えのパレスチナ人の友人がいる。これからすべきことはこうだ。まず、こうした友人を見つけよう。そして、その人たちが内側から自らの社会を導いていくことを助けるため、自分にできることをしよう。

2018年5月22日、ロバート・ニコルソン(投書)

ロバート・ニコルソン(Robert Nicholson、クリスチャンが中東のために責任を果たすことを推進する団体ザ・フィロス・プロジェクト代表)

本「スピーキング・アウト」欄は「クリスチャニティー・トゥデイ」の投書意見欄であり、(社説などとは異なり)必ずしもクリスチャニティー・トゥデイの見解を反映するものではありません。

本記事は「クリスチャニティー・トゥデイ」(米国)より翻訳、転載しました。
出典URL:
https://www.christianitytoday.com/ct/2018/may-web-only/nakba-palestinians-israel-christians-7-ways-positive-future.html

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