關岡一成著 吉野作造と海老名彈正(本井康博)【本のひろば.com】

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評者: 本井康博

ライフワーク・海老名彈正研究のスピンオフ
〈評者〉本井康博


吉野作造と海老名彈正
吉野が「海老名門下のクリスチャン」とされる理由

關岡一成著
四六判・224頁・定価1980円・教文館
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四〇年ほど前に始動した著者の海老名彈正研究は、同志社大学人文科学研究所の『新人』・『新女界』研究会(一九九二─一九九八年)で加速した。成果は共同論文集『「新人」「新女界」の研究』(人文書院、一九九九年)中に「海老名彈正の神学思想」論として結実する。他にも太田雅夫が「吉野作造とキリスト教」を寄せた。
私も諸先輩の驥尾に付して六年間、研究会にほぼ皆勤したが、未成稿に終わった。研究会解散時、「次期研究会は海老名で」の声も上がったが、実現しなかった。
著者はその後も地道に研鑽を重ね、近年は円熟の域に達した感がある。業績は『海老名彈正─その生涯と思想』(教文館、二〇一五年)、『海老名彈正関係資料』(教文館、二〇一九年)、『人になれ人、人になせ人─クリスチャン・サムライ 海老名彈正』(同)として結晶する。本書はこれに続くスピンオフである。
本書の主題はかつて『海老名彈正』の一節「海老名と吉野作造」で一五頁にわたり論じられたが、本書の分析はいっそう緻密化し、量も二〇〇頁を超える。後半の約一〇〇頁を資料編とした構成に著者の文献重視の姿勢が窺える。

つづきは、
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